「憎悪」「怒り」は広告よりも人の心を動かす。広報ミスで広告効果、数億円?

こんにちわ、廣瀬勝也です。
このブログでは広告が人の心を動かすプロセスやコツを日々紹介しております。つまりクリエイティブな広告とは、人の心を動かして購買意欲を掻き立てたり、意見を変えたりすることが出来る、ということです。

しかし、ときには広告よりも遥かに強いパワーをもって人々の心を動かすものがあります。

それは、問題のある企業に電凸(=電話で突撃)さえさせてしまう。
それは、周りの人を巻き込んで街頭デモや不買運動も呼びかけてしまう。

広告を見てジュースを買いたくなるよりも、圧倒的にパワーが必要な行動を起こさせてしまう。その正体は、「憎悪」や「怒り」です。
本日は、とある問題行為とそれを弁明する「広報活動」で人々に憎悪や怒りを植え付けてしまった最近の企業活動の事例をご紹介。

「憎悪」「怒り」は広告よりも人の心を動かす。広報ミスで広告効果、数億円?

毎日新聞「Wai Wai」問題と私刑化する社会とネット時代の企業広報の視点 - ガ島通信

「WaiWai」という海外サイトが2ちゃんねるで追求され、その後の対応のまずさでさらに火に油を注いでしまった毎日新聞の騒動はご存知でしょうか。
2ちゃんねるを中心にネット上で広がり、電凸のやり方などもまとめられたWikiも登場、さらに週刊新潮で記事になるなど、広告効果で測定すれば計り知れないほどの騒動になっております。
ガ島通信さんの記事で詳しく整理されております。

今回のこの騒動、全ては広報ミスによって起こされたものであると思うわけです。

毎日新聞が「Wai Wai」という海外サイトで数年にわたり卑猥な記事を掲載していた件は、すでにWaiWaiを閉鎖し、毎日新聞の紙面にも謝罪文を掲載。
正直、ネットユーザーが「WaiWai」を閉鎖に追い込むまでは、騒動と呼ぶほど大規模なものではありませんでした。一旦は目的も果たされ騒動も沈静化したかに思えました。
しかし。ここで毎日新聞は引き下がらず、毎日新聞の紙面においてこの文章を掲載し、ネットユーザーに火をつけたのです。

インターネット上には、今回の処分とは全く関係のない複数の女性記者、社員個人の人格を著しく誹謗(ひぼう)・中傷する映像や書き込みが相次いでいる。毎日新聞はこうした名誉を棄損するなど明らかな違法行為に対しては、法的措置を取る方針でいる。

この文章、謝罪文もあわせて毎日新聞の広報部か、外部のPR会社に頼んで公式な文章を掲載したものでしょう。
しかしながら「開き直りではないか」という企業姿勢を問う意見が大きくなり、騒動を招く結果に。そして海外サイトWaiWaiのみならず毎日新聞の本社にも批判が相次ぎ、ついには毎日新聞WEBサイトもスポンサーが消えてしまったという事態にまで発展しています。
これは、「憎悪」「怒り」によって心を動かされ、スポンサーに電凸を試みた集団によるもの。

広告がここまで人を動かせられないのに。
「憎悪」「怒り」とは、こんなにも人を突き動かすものなんですね。

いままではこうした事件があった場合はマスコミが問題を選んで報道していましたが、いまはネット時代。
消費者が結託する力は昔とは比べ物にならないため、毎日新聞の事例のように目線がずれているとあっという間に騒動に発展してしまいます。
もちろんお祭り騒ぎとしてふざけて電凸に参加したネットユーザーもいるでしょう。しかしながら、いまやそういったユーザーを含めて消費者なわけで、ネットで力をつけた消費者に対しての広報技術というものが今後、ますます企業にとって必要となってくるのではないでしょうか。

■ 今日のクリエイティブ広告論

・悲しいかな、「憎悪」「怒り」は広告よりも人の心を動かす。

・広報はいま、マスメディアだけを見ていてはいけない。消費者はネット時代で強い力をもっていて、改めて消費者目線に合わせて広報活動を行う必要がある(つまり原点である。)

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7 月 8, 2008

Posted by: hirose

Category: PR事例

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Comments (2)

ばあば

7 月 9th, 2008 at 9:48 AM    


この問題は、思うに広報ミスのみで広がったモノとは思えません。むしろ、毎日新聞社のリスクシミュレーションが全くなっていなかったことと、企業倫理が全くなっていなかったことが問題を拡大したと思います。

それと、今回の騒動の拡大・継続は、日本の母親・女性層を「危機感」「怒り」「失望」に突き動かしたためです。

昔、「男は頭で考え、女は子宮で考える」という言葉がありましたが、今回のことはまさに言葉通りであると考えます。だから、留まることを知らない。

だいたい、厳正なる処分が担当部署の上部の人間を社長・取締役に昇進させること というのは人を馬鹿にするにも程があると思いますし。

さて、下記のように地球の裏側で現実に危機感を抱いて動き出している人々がいることが知られると、母親・女性層はますますチラシ置き忘れ・電凸・メル凸運動を地道にたゆまず進めていく訳です。

毎日問題
http://nanmei.at.webry.info/200807/article_1.html
なぜ、私が毎日新聞の記事を危惧するのか
http://nanmei.at.webry.info/200807/article_2.html

あらかん

7 月 9th, 2008 at 10:31 PM    


毎日新聞は、女性の権利に関する記事をよくとりあげています。ネットの危険性についても特集を組んだこと(不確かな情報や中傷が一人歩きする)もあります。
そんな毎日新聞が一番ひどいことをしていたら、そりゃ問題ありすぎます。
対処もまずかったかもしれませんが、普段主張していることと実際にしていたことの乖離も怒りの原因の一つかと思います。

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